再生エネルギー電気に「産地証明」の取引を始める

塾長ブログ メディア編

再生エネルギーに対して先を走っている欧米と歩調を合わせるため、電気を売り買いする日本卸電力取引所(JEPX)は、再生可能エネルギー電気がどこでつくられたのかを示す「産地証明」の取引を始めるとのことである。

再生エネルギー電気の価値

再生エネルギー電気には、電気そのものの価値に加えて世界で話題になっている「脱炭素」という価値が存在する。つまり非化石によって作られた電気は脱炭素の証明だと言って良い。ただし、産地証明をすることによって価格がその分上乗せされることも否めない。非化石で作られた電気であると証明された市場の取引価格は発電量1キロワット時当たり0.3円程度だ。そこに産地証明の価値が同0.1~0.5円ほど上乗せされると見られる。

産地証明はスーパーで売っている野菜に似ている

産地証明はさらに、発電所の場所や設置環境、太陽光や風力といった電気の種類を証明し、さらに脱炭素でできた電気だとうことをしっかりと表している。言わば、我々がよく利用するスーパーの野菜に似ている。どこの誰によって作られた野菜なのかを表示するスーパーが増えてきている。その表示によって我々は安心してその野菜を食することができるのである。再生エネルギー電気もきちんと再生エネルギーであることを証明されるので安心してその環境に優しい電気を使えるということになる。

再生エネルギー電気の価格差はむしろ好都合

先に述べたが、再生エネルギー電気は産地証明を付けるため、環境に影響のある化石燃料から出来た電気よりも価格が上がる傾向がある。一見すると価格の上昇はデメリットのように思えるが、全く別の見方をすることもできる。例えば、環境に影響のある化石燃料から作られた電気は、再生エネルギー電気よりも高く販売できないという効果がある。産地証明がなされた電気を使う人たちは、どこでどのように再生エネルギー電気が作られたのかを気にかけているため、産地証明されていない電気がいくら安くても手を出さない可能性もある。さらに再生エネルギー電気の付加価値を上げるために適正な開発をすることにもつながるのである。  

産地証明が今後はどのようになっていくのかはわからないが、やってみる価値は大いにあるような気がするし、やってみなければ良いか悪いかの判断もできない。考えていた通りの未来が来ることは決して無いのだから。

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